Concept

本プロジェクト「MAKES」（メイクス）は、林秀紀准教授（桜美林大学）の環境に優しい木育玩具の研究を支援したことを契機に始まりました。昔は、人々が手作りで玩具や道具を作っており、そこには創意工夫や作ることの楽しさに溢れて、現代が失ったものがあった時代がありました。

しかし、今日では、木や紙を切ったり削ったり等、準備する事が大変です。このようなことを考えていた時に、日本化工機材（株）の環境に優しい角紙管を用いた新商品開発支援のお話しがありました。この部材は木材に近く、木材よりも扱いが容易であるので、作ることの楽しさを取り戻すものになるのではないかと林先生とも話して、本プロジェクトが生まれました。

まず問題になったのが、「人々に部材だけ提供しても、直ぐに何かを作る動機が喚起されないのでは」です。そこで、その動機付けとなるいくつかの作品を提示すれば、それを見て、何かを作ってみようという人々が現れるのではないかと考えました。 もちろん、その作品を入手してもかまいません。ただし、提供するのは部材類と図面だけです。入手者が自ら作り、塗装や加工もなどを行います。また、事前に図面を公開していますので、それを参考に寸法変更や改良を加え、その新たな作品資料を提出頂くことで、必要な部材類を注文するシステムをご用意しました。

「MAKES」プロジェクトは、「つくる楽しさ」を皆さんと提供し共有することをコンセプトにしています。

井上勝雄（広島国際大学 元教授）